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ひと夏の恋……そして……
第22章 それぞれの想い

そんな顔とはどんな顔なのか分からないけど、考えていたことが顔に出ていたようで、ソンちゃんは優しく頭を撫でてくれる。

「ごめんね。でも、そのうち……私と夏樹の子供を抱かせてあげるね」

「ああ、気長に待ってるさ」

問題ないと言わんばかりにソンちゃんは笑った。
それから、誰も来ない空間で暇を持て余した私たち。
暇になれば店の掃除を毎回するから掃除をする場所もない。
お互いにカウンターの席に座ってコーヒーを飲んでいるとドアベルが鳴り、お客さんが来たとソンちゃんと振りると夏樹だった。

「夏樹!!!」

いつもより早い帰宅に驚いた。
時計を見れば13時を回った辺りで、夏樹が仕事を終えて戻って来るには早すぎる時間。

「どうしたの?体調でも悪い?」

いつもより早く帰ってくる理由としてはそれしか思い浮かばないし、いつもより元気がない。
両手で夏樹の頬を包んでも熱はなさそうでほっとした。

「夏樹?どうしたの?」

何も話さない夏樹を不思議に思いもう一度呼びかけると、顔を肩にコツンと置いた。


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