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ひと夏の恋……そして……
第23章 友情と愛情と絆

「島のためにいろいろとやってくれたお前と縁を切るほど薄情な人間だと思ってるのか?」

「思ってないよ。思ってないけど……」

「だったら何が問題だ?俺がもう良いと言ってるんだ。5年も経てば人は成長する。昔の出来事は想い出に変わる……辛いこともあったけどあの夏は、俺にとって特別な夏になったよ。それに――」

夏樹は私の手を離して和泉に近づいて、和泉の頭に手を置いて告げた。

「今でも俺はお前の事を親友だと思ってる。これからも変わることはない」

「夏樹……」

夏樹の最後の言葉で和泉は顔を上げた。
その瞳には涙が潤んでいた。

「何泣いてんだよ」

「なっ、泣いてなんかいない。変な事言うな」

「あ~そうですか」

悪態をつきながら、夏樹は和泉の頭を自分の胸に引き寄せた。
初めは逃げようとしていた和泉も、最後には夏樹の腕の中で声を出して泣いた……


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