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ひと夏の恋……そして……
第23章 友情と愛情と絆
「何か不思議だよね」
「何がだ?」
「ん?何が?」
私の言葉に、ふたりの視線が私に注いだ。
「18年前、家を飛び出してきたでしょ?そこから全てが始まったんだよね。人を傷つけ傷ついて……それでも切れなかった私たちの縁。二度と一緒に過ごすことはないと思っていたのに、今こうして一緒にいる。和泉との間にできた子供と、夏樹との間にできた子供を囲んで一緒にいられるのが不思議だなって。それを許してくれた夏樹に感謝してる。ずっと私たちの事、島の事を大事にしてくれた和泉にも感謝してる」
過去を振り返れば感謝の言葉しかでてこない。
こんな私に寄り添ってくれた夏樹と和泉。
このふたりがいたから私は今の幸せを手にすることができた。
きっと、ふたりがいなければ私の幸せはなかったと思う。
15歳の時に家が嫌で飛び出してきた私を救ってくれたのは夏樹だった。
18歳の時に宝物を授けてくれたのは和泉だった。
そして、今、この幸せを与えてくれているのは間違いなく夏樹と和泉だった。