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ひと夏の恋……そして……
第4章 未来への第一歩
久しぶりにひとりになり、外を歩いていると昔のことを思い出す。
まだまだ子供だったあの頃。
キスだけで舞い上がりドキドキした感覚が、数日前と重なった。

「真緒?」

夏樹のことを考えていると夏樹の声が聞こえ、びっくりして振り返るとハーフパンツにTシャツとラフな格好の夏樹が立っていた。

「やっぱり真緒か、どうした?こんな時間に。真和は?」

「真和は寝てるよ」

一番最初に真和の事を気にしてくれるのがうれしい。

「そっか。でも、あんまり一人でうろつくなよ」

そして、私の事も真和と同じで心配してくれる夏樹は昔と変わらない。
私が尊敬していたお兄ちゃんで、私の初恋の人。

「相変わらず過保護ね」

「当たり前だろう?とりあえず歩くか」

その言葉に頷いて、私たちは真夏の浜辺を程よい距離を保って歩き続けた。


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