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ひと夏の恋……そして……
第4章 未来への第一歩
――パタン
隣の部屋のドアが開く音がして夏樹の動きが止まった。
お互いに身動きできずに耳を澄ませていると、真和のすすり泣く声と私を探す声が聞こえる。
「ママ???ママどこ??」
階段を降りていく音が耳に届き、こんな姿を見られずに済んだ安心感と、不安な想いをさせてしまった事への罪悪感が私を包み込んだ。
それを察した夏樹が額にキスを落とす。
「大丈夫、真和は大丈夫だ。とりあえず俺が行くから真緒は落ち着いてから戻ってこい……その顔は俺だけに見せてよ。真和でもダメだからな」
最後の方は甘い言葉を耳元で囁き、何もなかったかのように短パンを履いて、ドアの外に出て行った。
今までの行為と夏樹の甘い言葉に火照った身体を落ち着かせて部屋に戻ると、夏樹の腕の中で眠っている真和がいた。
「おしっこに起きたら真緒がいなくて寂しかったんだってさ、まだ5歳なんだもんな。目を覚ましてママがいなかったらさみしくて当然だよな……」
夏樹の言葉に心苦しくなる。
真和がさみしい思いをしているのに私は隣で夏樹と愛し合っていた。