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ひと夏の恋……そして……
第5章 運命のいたずら

「最近、とってもいい表情をするようになったね」
ランチの仕込みをしていると、ソンちゃんがそんな言葉を口にする。
「そう?」
「うん。笑顔が優しくなったって言うか、何か良い事でもあった?」
何か良い事……
ソンちゃんには叔母さんが亡くなってから色々と心配ばかりかけてきた。
夏樹とそういう関係になったと告げたら喜んでくれるだろうかと恐る恐る夏樹との関係を話した。
「夏樹とね……これからもずっと一緒にいたいって……真和のね、父親になってくれるって言ってくれたの」
ソンちゃんがどんな表情をするのか怖くて顔を上げられなかった。
反対はしないと分かっていても怖い。
「それに真緒は頷いたの?」
「うん……」
そう小さく頷くとソンちゃんは私を痛い程抱きしめてくれた。
「やっと前に進む決心したんだね。夏樹ちゃんなら大丈夫!ずっと真緒と真和を見守ってきたんだ。きっと良いパパになってくれるよ」
自分のように喜んでくれるソンちゃんの言葉にホッとする。

