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ひと夏の恋……そして……
第5章 運命のいたずら

「それで?いつ籍を入れるの?結婚式はするのかい??」
感動が一段落すると、感動が興奮に変わった。
そこまでは何も決めていないと告げても、結婚することが決まれば早い方が良いとカレンダーを見てソンちゃんの妄想が始まり、それを苦笑しながら開店の準備を進めた。
OPENの看板を出せばいつも以上の忙しさ。
ソンちゃんの妄想もストップしたかのように額に汗をかきながらオーダーされた料理を作り上げていく。
「何??今日の忙しさ??この店始まって以来じゃないの??」
ソンちゃんとうれしい悲鳴を上げながら淡々と仕事をこなし、全ての客が帰ったのは夕方になってからだった。
「さすがに疲れたね。残り物だけど食べようか」
カウンターに突っ伏して休んでいると、ソンちゃんがいそいそと動いて賄いを出してくれた。
60歳を超えているのにこのバイタリティ。
正直、私より体力あるし身軽で羨ましいとさえ感じる時がある。

