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第17章 最終章・結婚式

沈黙の後、

「結婚式はしたの？」

琉の母親が口を開いた。

「あ…いえ、入籍だけです」

愛里咲の答えに、琉の母親はゆっくりと頷くと、

「琉、結婚式あげてやりなさい」

琉を見据えてそう言った。


(─────結婚式⁉︎)

驚いて声も出せずにいる愛里咲は、見開いたままの目で琉の母親を見つめていた。

「やだね。そんな事まで親に指図されたくない」

チラリと愛里咲を見た後、琉は面倒臭そうに答えた。


「琉、女の子にとって結婚式は一生に一度のイベントなのよ？ 若い時しかドレスは着れない。愛里咲さんの親御さんだって、その姿をどんなにか見たかったか」

琉の母親が、琉の隣に腰を下ろし、説得するかのように優しく話し始めた。