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爪先からムスク、指先からフィトンチッド
第17章 3 羅袖 香を動すも 香已まず
会社から十分な報酬と評価をもらい、涼介はまた『ミント王子』の名称を確固たるものにする。
もう会社との契約は切れているが、こうして開発中の研究室以外、自由に出入りできることになっている。
「兵部さん、どうですかー、一緒に僕のプロデュースしたカフェ行きませんか?」
一応終業時刻を待ち、涼介は薫樹を誘う。
「んー、そうだな。今日はキリがいいからそうしてみようかな」
二人連れ立っていると帰宅する女子社員たちはザワザワざわめいている。
「まだまだミント王子、うちに来てくれるのかなあ」
「あーん、かっこいいー」
「匂宮さまはクールで素敵だけど、王子は甘くて母性本能くすぐられちゃうー」
「二人並んで歩いてるとほんと貴公子って感じよねえ」
「はあー。いい香り」
やはり残り香を嗅ぎながら女子社員たちはうっとりして後姿を見送り続けていた。
もう会社との契約は切れているが、こうして開発中の研究室以外、自由に出入りできることになっている。
「兵部さん、どうですかー、一緒に僕のプロデュースしたカフェ行きませんか?」
一応終業時刻を待ち、涼介は薫樹を誘う。
「んー、そうだな。今日はキリがいいからそうしてみようかな」
二人連れ立っていると帰宅する女子社員たちはザワザワざわめいている。
「まだまだミント王子、うちに来てくれるのかなあ」
「あーん、かっこいいー」
「匂宮さまはクールで素敵だけど、王子は甘くて母性本能くすぐられちゃうー」
「二人並んで歩いてるとほんと貴公子って感じよねえ」
「はあー。いい香り」
やはり残り香を嗅ぎながら女子社員たちはうっとりして後姿を見送り続けていた。