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爪先からムスク、指先からフィトンチッド
第22章 ラブローションに溺れて
会社を出て、薫樹は芳香の勤める園芸ショップ『グリーンガーデン』に向かう。
スーパーの駐車場が見え、ショップの店先で甲斐甲斐しく、植物に水をやっている芳香の姿が見えた。
しばらく遠目から様子をうかがう。
やってくる客に愛想よく笑いかけ丁寧に接客をし、深々と頭を下げている。
生き生きと瑞々しく働く彼女の様子を見ると、ここしばらくの疲労が消えていく気がしている。
「芳香の魅力は香りだけではないな」
そばで彼女の香りを嗅がずとも彼女の存在は薫樹にとって安らぎを与える。30分ほど眺めて薫樹は芳香に会わずに帰る。こうしたことを何度か繰り返していることを芳香は知らない。薫樹の秘かな楽しみであった。
スーパーの駐車場が見え、ショップの店先で甲斐甲斐しく、植物に水をやっている芳香の姿が見えた。
しばらく遠目から様子をうかがう。
やってくる客に愛想よく笑いかけ丁寧に接客をし、深々と頭を下げている。
生き生きと瑞々しく働く彼女の様子を見ると、ここしばらくの疲労が消えていく気がしている。
「芳香の魅力は香りだけではないな」
そばで彼女の香りを嗅がずとも彼女の存在は薫樹にとって安らぎを与える。30分ほど眺めて薫樹は芳香に会わずに帰る。こうしたことを何度か繰り返していることを芳香は知らない。薫樹の秘かな楽しみであった。