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爪先からムスク、指先からフィトンチッド
第22章 ラブローションに溺れて
「あれ? 兵部さんも帰るんですか? ゆっくりすればいいのに」
「ん。 これから芳香の仕事ぶりをゆっくり眺めるんだ」
「は、はあ。相変わらずですねえ」
「薫樹も幸せそうで嬉しいわ」
「ありがとう。環は綺麗になってるな。清水君のおかげだろう」
「え? 前から綺麗でしょう。はははっ」
「ああ、そう言われるとそうだな」
薫樹には10年前の環よりも今の、涼介と結ばれてからの彼女の方が美しいと感じていた。そしてこれからますます美しくなるのだろうと予感している。
――数十年、仲良く幸せに過ごした後、先に涼介が逝き、環は『ミントの女王』と呼ばれその生涯を閉じた。
「ん。 これから芳香の仕事ぶりをゆっくり眺めるんだ」
「は、はあ。相変わらずですねえ」
「薫樹も幸せそうで嬉しいわ」
「ありがとう。環は綺麗になってるな。清水君のおかげだろう」
「え? 前から綺麗でしょう。はははっ」
「ああ、そう言われるとそうだな」
薫樹には10年前の環よりも今の、涼介と結ばれてからの彼女の方が美しいと感じていた。そしてこれからますます美しくなるのだろうと予感している。
――数十年、仲良く幸せに過ごした後、先に涼介が逝き、環は『ミントの女王』と呼ばれその生涯を閉じた。