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爪先からムスク、指先からフィトンチッド
第23章 第四部 小さな狭い部屋で
 グローバルな二人は引き出物にコンドームを入れていた。『不用意なセックス』は子供たちにとって不幸になることであると施設で育った環はよく知っている。
 コンセプトに感心している芳香を横に、薫樹は愛撫の手を緩めない。スカートの中に潜り込み、芳香のムスクが漂う香りの元へ顔をうずめる。

「きゃっ」
 香りを嗅ぎながら、舌を内部にねじ込み、蜜を出させ、舐めとる。芳香は性急な強い刺激に足をびくびく痙攣させた。

「あん、ああん、も、もう……」
「欲しくなってきたかい?」
 すっかりと濡れそぼり、熱くひくつく蜜源を二本の指で浅く深く出し入れしながら、薫樹は香りを堪能している。

「あ、ん、ほ、欲しい……」
「どうしようか……。先にイキたい?」

 尋ねられたが芳香にはもう欲しいと思う気持ちしかなかった。いつも絶頂を迎えることはあったがまだ二人は繋がっていない。

「いやっ、もう、もう、お願い。抱いて……欲しい」
「そうだな……」
 哀願する芳香をにもう一度キスをする。薫樹は硬くなったペニスをぐっと芳香の蜜口に突き立てる。
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