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爪先からムスク、指先からフィトンチッド
第25章 芳香の実家
「ありがとうございます。芳香の足の匂いを治していただいたばっかりか、結婚までしてもらえるなんて」
ばっちりしていたメイクが崩れ、直すのに時間がかかりそうだが美津子はお構いなしでよかったよかったと涙ぐみながら鼻をかんでいる。
「お母さん……」
母親が自分の足の匂いが改善されたことをそんなに喜ぶとは芳香は夢にも思っていなかった。もっとドライだと思っていた母親の愛情を感じて胸が熱くなる。
「芳香さんは、素敵な女性です。結婚を許してもらえますか?」
薫樹が静かに告げると、「もちろんです! 芳香には本当にもったいないぐらいです。どうか、よろしくお願いいたします」と敬一は最敬礼で頭を下げた。
普段、軽薄な桃香まで「よかったね、おねーちゃん!」とガッツポーズを決めている。
「みんな、ありがとう」
芳香も今更ながらに、苦労してきた自分の人生を振り返る。そしてこれから新しい人生を薫樹と作り上げていくのだと実感した。
ばっちりしていたメイクが崩れ、直すのに時間がかかりそうだが美津子はお構いなしでよかったよかったと涙ぐみながら鼻をかんでいる。
「お母さん……」
母親が自分の足の匂いが改善されたことをそんなに喜ぶとは芳香は夢にも思っていなかった。もっとドライだと思っていた母親の愛情を感じて胸が熱くなる。
「芳香さんは、素敵な女性です。結婚を許してもらえますか?」
薫樹が静かに告げると、「もちろんです! 芳香には本当にもったいないぐらいです。どうか、よろしくお願いいたします」と敬一は最敬礼で頭を下げた。
普段、軽薄な桃香まで「よかったね、おねーちゃん!」とガッツポーズを決めている。
「みんな、ありがとう」
芳香も今更ながらに、苦労してきた自分の人生を振り返る。そしてこれから新しい人生を薫樹と作り上げていくのだと実感した。