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第6章 ６　完成

　完成したボディシートはとても評判の良いものとなった。
『ボディシート　イン　フォレスト』今、日本で一番売れているシートだ。

　オーガニックコットンのシートに国産の杉の木の間伐材が練り込まれており、身体を拭くとふんわりと木の香りが漂う。
天然のフィトンチッドの香りによって森林浴をするようなリラックス効果を呼び、それがストレス性で体臭がきつくなる人たちにも好評だ。会社からもっとフローラル系の甘い香りをつけ足すように言われたが薫樹はそのままで勝負に出たらしい。
　それが功を奏し成功する。


　芳香はボディシートの評判を社内の噂で聞き、開発に参加できたことをとても誇りに思った。そしてそれを使う自分の足の匂いが、爽やかでナチュラルなものに感じられることにとても幸せを感じている。
薫樹は更にこの業界で有名になりスポットライトを浴びている。


　最後に薫樹のマンションを訪れてから1ヶ月が経つ。もう関わることはない彼を遠目から眺め、芳香は満ち足りた気持ちで毎日を過ごしていた。

　そして会社を辞めた。