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爪先からムスク、指先からフィトンチッド
第7章 7 再開
「すみませんでした。ほんとに……。でもどうして私なんかになんで、そ、その、告白してくれたんですか? 薫樹さんみたいな人が私に告白なんて……想像もできないし、ありえない。
あなたは仕事も一流で有名で、あの、すごくかっこいいし、みんな憧れてて。噂もいっぱい聞きました……。
カフェでも一回見かけました。すっごい綺麗でファッショナブルな人とデートしてるところ……」
はあっと大きなため息をつき、「初めてってなんでも上手くいかないもんだな……」と薫樹は苦笑いする。
「君のことは香りから好きになったから、どこがって言われても納得してもらえないかもしれない。でも会社で君のことを覗きに行ったよ。真面目で綺麗好きでいつも笑顔で見ていて気持ち良かった。
カフェで見たっていう女性はうちの化粧品のイメージガールで何の関係もない。好みでもないしね」
「私の香り……」
「うん。君の香りが好きだ。初めて人の匂いが好きだと思った。君がまだ悪臭だと思っていた頃の香りですら好ましい。ただあの頃のままだと生き辛いだろうとは思ったけどね。今はすっかり自信に満ちていて眩しいくらいだよ」
「そんな……全部、薫樹さんのおかげです……なんか……信じられない……」
「ついでに言っておくと女性と付き合ったことは一度もない。アプローチされることは多かったけど、なぜか心が動かされなかった。
君の香りを嗅いで初めてわかったんだ、匂いが違うんだってね。それも表面的な匂いじゃなくて根本的な」
あなたは仕事も一流で有名で、あの、すごくかっこいいし、みんな憧れてて。噂もいっぱい聞きました……。
カフェでも一回見かけました。すっごい綺麗でファッショナブルな人とデートしてるところ……」
はあっと大きなため息をつき、「初めてってなんでも上手くいかないもんだな……」と薫樹は苦笑いする。
「君のことは香りから好きになったから、どこがって言われても納得してもらえないかもしれない。でも会社で君のことを覗きに行ったよ。真面目で綺麗好きでいつも笑顔で見ていて気持ち良かった。
カフェで見たっていう女性はうちの化粧品のイメージガールで何の関係もない。好みでもないしね」
「私の香り……」
「うん。君の香りが好きだ。初めて人の匂いが好きだと思った。君がまだ悪臭だと思っていた頃の香りですら好ましい。ただあの頃のままだと生き辛いだろうとは思ったけどね。今はすっかり自信に満ちていて眩しいくらいだよ」
「そんな……全部、薫樹さんのおかげです……なんか……信じられない……」
「ついでに言っておくと女性と付き合ったことは一度もない。アプローチされることは多かったけど、なぜか心が動かされなかった。
君の香りを嗅いで初めてわかったんだ、匂いが違うんだってね。それも表面的な匂いじゃなくて根本的な」