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爪先からムスク、指先からフィトンチッド
第12章 4 ルームフレグランスの調香
 週末に芳香が薫樹のマンションを訪れるようになってから2ヶ月ほど過ぎたが、一緒に眠るだけの朝を迎えている。

 ここのところ夜遅くまで自室の研究室にこもっている薫樹は疲労気味だが、芳香に会うとほっとする自分を感じていた。

「さて、今回は天然精油だけ使ってみるか」

 何本かの香料を選び出し机に並べる。薫樹が作ろうとしているのは芳香との初夜を彼女が安心して迎えられるためのルームフレグランスだ。

 香りのイメージはもうすでに出来上がっている。控えめで奥ゆかしい生真面目な芳香にはリラックスが必要だが、薫樹の指先の香りだけではリラックスし過ぎて眠ってしまう。催淫効果も必要だろう。

 芳香のムスクの香りと自分自身のフィトンチッドの香りを考慮して配合を考える。
トップノート(香りの第一印象)が自分の指先なら、ラストノート(残り香)は芳香の爪先だろう。つまりミドルノート(メインの香り)をうまく配合しなければならない。

 トップノートは薫樹自身、自覚はできないが森の香りだと芳香が言うので、シルバーファーにクミンを加える。トップノートは30分もすれば消えてしまうので、まずはリラックスと刺激を感じさせることにする。ミドルノートは二時間近く香りを保持する。つまり行為の最中、香り続けているだろう。
クミンの催淫効果を引き継がせるべく、イランイランと安心感を得られるだろうジャスミンを使用することにした。

 最後のラストノートはもう芳香の香りだけで薫樹には十分だが、芳香に不満を残さないようにバニラとサンダルウッドを処方する。これで最後まで不安感のない状態をキープできるだろう。
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