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爪先からムスク、指先からフィトンチッド
第13章 5 デート
食事の後、体験コーナーというところに立ち寄った。ハーブを使った石鹸づくり、アロマオイルで香水作りなど色々な講座があるようだ。
「へー、こんなところで売られてるんですねえー」
「ああ、本当だな」
「このシートってほんと画期的ですよね。これのおかげで私の人生変わったよなあ」
感慨深そうに芳香はきちんと並べられたボディーシートを見つめる。
「今度、それに他の香りをつけることになったよ」
「ああ、そうなんですね」
「僕はそのままで、いいと思うんだが、まあ会社の意向だしね。フローラル系と柑橘系が加わると思う」
「そっかあ。じゃ、また新しいCMもできるんですね……」
「ん? ああ、たぶんね」
さっきまで明るくはしゃいでいた芳香がだんだんと暗く沈んでいく。
「芳香。野島さんのことを気にしているのか?」
「え、っと、少しだけ」
「心配ない。野島さんの件は片付いた」
「えっ?」
「彼女にははっきり断っているし、理解もしてくれたようだからもう心配しないで」
「ほんとに?」
「ん」
薫樹は芳香の手を取り、自分の指先を彼女の鼻先へ持っていく。
「いい香り……」
ハーブ園での香りも落ち着くが薫樹の指先を嗅ぐと更に芳香はリラックスする。
「へー、こんなところで売られてるんですねえー」
「ああ、本当だな」
「このシートってほんと画期的ですよね。これのおかげで私の人生変わったよなあ」
感慨深そうに芳香はきちんと並べられたボディーシートを見つめる。
「今度、それに他の香りをつけることになったよ」
「ああ、そうなんですね」
「僕はそのままで、いいと思うんだが、まあ会社の意向だしね。フローラル系と柑橘系が加わると思う」
「そっかあ。じゃ、また新しいCMもできるんですね……」
「ん? ああ、たぶんね」
さっきまで明るくはしゃいでいた芳香がだんだんと暗く沈んでいく。
「芳香。野島さんのことを気にしているのか?」
「え、っと、少しだけ」
「心配ない。野島さんの件は片付いた」
「えっ?」
「彼女にははっきり断っているし、理解もしてくれたようだからもう心配しないで」
「ほんとに?」
「ん」
薫樹は芳香の手を取り、自分の指先を彼女の鼻先へ持っていく。
「いい香り……」
ハーブ園での香りも落ち着くが薫樹の指先を嗅ぐと更に芳香はリラックスする。