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爪先からムスク、指先からフィトンチッド
第14章 6 香りに満ち満ちて
ほんのりと薄暗い寝室に入る。特に何をするわけでもなく広いベッドに潜り込んだ。
シーツは白く清潔で洗濯したての日向の香りがする。掛け布団は薄くフラットなのに手触りがよく温かい。
「うーん、すべすべしてる。シルクの寝具ってつるっつるだなあ」
初めて薫樹の寝具を見たときに布団の薄さが気になったが、眠ってみて温かさは重さではないのだと知った。
「これから……ここで……」
横たわり落ち着かずシーツを撫でていると、薫樹がそっと寝室の入ってきた。
すっとベッドに腰かける。
「芳香。寝てる?」
芳香は身体を起こし「いえ……」と言葉少なに答えた。
シーツは白く清潔で洗濯したての日向の香りがする。掛け布団は薄くフラットなのに手触りがよく温かい。
「うーん、すべすべしてる。シルクの寝具ってつるっつるだなあ」
初めて薫樹の寝具を見たときに布団の薄さが気になったが、眠ってみて温かさは重さではないのだと知った。
「これから……ここで……」
横たわり落ち着かずシーツを撫でていると、薫樹がそっと寝室の入ってきた。
すっとベッドに腰かける。
「芳香。寝てる?」
芳香は身体を起こし「いえ……」と言葉少なに答えた。