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祭の夜
第2章 可愛がってもらおうかいな?

お風呂から戻ると、座敷は片づけられ、布団が二組敷いてあった。

「どないや?」
「はい、もう大丈夫です」
「ふふふ、慣れんのに、調子にのって飲むさかい」

淑恵は窓側のソファーに座って涼んでいた。

義雄は彼女に向かい合う形でそこに座ったが、浴衣姿の淑恵はとても色っぽく、昼間よりも眩しく見えた。

「義雄ちゃんは彼女おるんか?」
「そんなのいませんよ」

本当は好きな女の子がいたのだが、いろいろ聞かれると面倒なので、そう答えると、淑恵は笑いながら「うちと同じやな」と言った。

「うちと同じ?」
「そうや、うちもおらへんもん」
「だって、おじさんが」
「とっくに終わっとるんよ」
「終わっとる?」
「ふふふ、エッチやな。そないなことを言わせるんか?」
「あ、いや……」

義雄は16歳になったばかりの〝子供〟だったので、それが何を意味するか、明確には分らなかったが、淑恵の口調から性的なことだと感じ取っていた。

「ほな、今夜は義雄ちゃんに可愛がってもらおうかいな」
「えっ、可愛がる?」
「もう、知らんわ」

口元を押さえて笑う淑恵は部屋の鍵を掛けに行った。
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