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失恋しても好き過ぎる
第8章 8



また、お決まりの給湯室である。


課長はドアに鍵を掛けると、ドアの前で門番の様に腕組をして、




「どうだった?俺の言う事が正しかっただろ?」


「……はい……」




ふふんと笑い、かと思えば、優しく私の頭を撫でた。




「大丈夫か……?」


「はい……!」




何これ!ヤバイ奴!


優しくされると泣く奴!




「珈琲でも飲むか?いれてやるよ」


「大丈夫です……」


「猫田………」




そのまま真剣に見つめてくると課長は、




「抱き締めて良い?」




質問してくる。


いつも聞かないのに、何で………。



「……ダメです……」


「そうか………」



私が断ると、課長は当たり前のように私の体を抱き締めた。


ダメって言ったよね、私………。


まあ、良いか。今は………。




「猫田、俺は、お前が好きだ。大好き」


「………」


「今付き合ってる彼女もいない。だから、俺にしとかんか……?」



抱き締めたまま尋ねてくる課長に、私は黙ったまま。


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