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アンケート御礼小話詰め合わせ(_ _)
第3章 近頃都で流行るもの(スグリ・サクナ)
真珠色の蜘蛛の糸のように、繊細なレース。
湖の湖畔に寄せる波の泡を思い起こさせる様な、軽やか且つ複雑な模様を描いています。
淡いオレンジの艶々した重厚な絹のリボンは、見ただけでも柔らかな手触りが感じられそうです。
「……なんて素敵……!見たことが無いくらい綺麗だわ……見事なお品ですわね!」
美しい織物をうっとり眺めていたローゼルの薔薇の花片の様な唇から、ほうっと溜め息が漏れました。
「これが、ロゼへの結婚お祝いの贈り物なの。」
「え?」
「どうぞ、広げてご覧になって?」
スグリは、にこにことローゼルを促しました。
「ええ……あ!」
ローゼルは、レースの上着のリボンにそっと手を触れて、持ち上げました。上着を持ち上げたことで、途中まで付いて来たひだをたくさん寄せたレースの下着が箱の中にくたりと優しく崩れ、もう一つ、ひらっと何かが落ち掛けました。
「お姉様っ……これっ……!?」
ひらっと落ちた何かを掌で反射的に受け止めたローゼルは、驚いて声を上げました。
「これはね。今、都で今流行している『お化粧着』って言う物なのよ」
スグリは内緒話をするように、ローゼルの耳元で囁きました。
「……お化粧着、っ……」
「このお化粧着ね、私と色違いの、お揃いなの。」
にっこり笑ったスグリと手にしている「お化粧着」を交互に眺めたローゼルは、みるみるうちに全身真っ赤になりました。