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8月のヒメゴト ~僕と桃香の7日間~
第6章 6日目
僕は身じろぎもせず、ひとりベッドに座っていた。
何時間経ったろうか。
昼も夜もない閉ざされた部屋だが、もう真夜中を過ぎているはずだ。
ひとりになると、豪華な部屋が余計に広く感じられる。
防ぎようのない虚脱感が、じわじわと侵食してくる。
ソファーの上に、キレイに畳まれたウェディングドレスが、寂しげに置かれていた。
ももちゃん…結婚式したかったよね…ごめんね…
彼女は生まれて12年間、病気で苦しんで、その後20年間、僕への想いと孤独に苦しんだ。
僕などには想像もつかない、軽々しく同情することすら許されない苦しみだ。
あんな小さな少女が、それに耐えてきたんだ。
それに比べて僕は…
ももちゃんは、ようやく健康な体と、願いが叶う幸せを手に入れた。僕に話さなければ、気付かれる事はなかっただろう。
何時間経ったろうか。
昼も夜もない閉ざされた部屋だが、もう真夜中を過ぎているはずだ。
ひとりになると、豪華な部屋が余計に広く感じられる。
防ぎようのない虚脱感が、じわじわと侵食してくる。
ソファーの上に、キレイに畳まれたウェディングドレスが、寂しげに置かれていた。
ももちゃん…結婚式したかったよね…ごめんね…
彼女は生まれて12年間、病気で苦しんで、その後20年間、僕への想いと孤独に苦しんだ。
僕などには想像もつかない、軽々しく同情することすら許されない苦しみだ。
あんな小さな少女が、それに耐えてきたんだ。
それに比べて僕は…
ももちゃんは、ようやく健康な体と、願いが叶う幸せを手に入れた。僕に話さなければ、気付かれる事はなかっただろう。