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8月のヒメゴト ~僕と桃香の7日間~
第8章 永遠
あの日々の全てを、鮮明に詳細に覚えている。何一つ、忘れることはない。
だから自分の選択を、後悔していない。
僕が永遠に生きるなら、それは彼女も同じだ。
そうだよね、ももちゃん。

『うん。ずっとずっと、お兄ちゃんと一緒だよ』
「愛してるよ、桃香」
『わたしも。お兄ちゃん、愛してる』

ベンチに座って、ぼんやりと風景を眺めている男がいた。
かすかに、その体が光っている。
あの男か。

僕は近づいて声をかけた。
「松野明宏さんですね」
男は驚いて、僕を見た。
「お、俺が見えるのか!?どうして?俺、死んでるのに…」
僕は黒い帽子を少し持ち上げて、挨拶した。
「初めまして。私は魂を導く者です」
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