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第4章 上海ローズ

「…君は不思議なひとだ…」
事後、まだ息が整わず広い寝台の上で白い肩を喘がせ、ぐったりと臥している由貴子を見下ろす。
しっとりと汗が滴るその真珠色の美しい身体…。
桜色に染まった乳房は、夜ごと日ごと繰り返す宮緒の愛撫のせいか以前より豊かになっている…紅色に熟れた乳暈…引き締まった華奢な腰…。
…青白いまでの下腹部の淡い下生えはしっとりと湿り…宮緒が放った熱く濃い牡液がとろりと滴り落ちているのが余りにも卑猥な光景で眩暈がするほどだ。

そんな痴態に気付かぬほどに、由貴子は未だに悦楽の沼を漂っているらしい。
「…ねえ…聴いている？」
白く形の良い顎を掴み、貌を近づける。
「…あぁ…」
美しい珊瑚色の唇が綻ぶ。
「…こんなに淫らで…感じやすくて…。
それなのに昼間はまるでマリア様みたいに貞淑で…。
本当に…不思議なひとだ…」
由貴子の長く濃い睫毛が瞬き、うっすらと開く。
潤んだ黒目勝ちな美しい瞳が揺蕩うように微笑った。

「…由貴子…！」
宮緒は身体の奥底からせり上がるような熱い情慾に駆られる。
投げ出されたままの白く形の良い脚を掴み、強引に開かせる。
細腰を抱きかかえ、未だ硬度を失わぬ兆しきった己れの牡を愛蜜と牡液に塗れた花陰のあわいに突き入れた。

「…あぁ…っ…いや…ぁ…」
夢うつつのまま、由貴子が弱々しく抗う。
「…こんなに濡れて…狭くて…熱くて…なんて名器なんだ…」
哮り狂った凶暴な牡を尚も捻じ込みながらいやらしい言葉の数々をその薄くれないに染まった耳朶に吹き込む。
「…んんっ…おおき…い…い…は…ぁ…ん…いい…
すごく…きもち…い…」
夢の中の譫言のような淫らな言葉…。
「…もっと気持ちよくしてあげるよ…。
君は僕だけのものだから…ね…」
淫靡な水音を立てながら、宮緒は肉食獣のように荒々しい律動を始める。
「…あぁ…ん…」
由貴子の美しい貌が再び訪れる快感に蕩け…柔らかく綻びる。
「…由貴子…。
僕だけのものだ…。
誰にも…渡さない…！」

…この美しく高貴で…淫らな…たまらなく愛おしいひとを独占するために…。

「…あ…宮緒さ…んんっ…」
由貴子の幽かな声は、熱い蜜のように甘く激しい口づけに絡め取られていった…。