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星逢いの灯台守
第4章 上海ローズ
…そうして、宮緒と由貴子の上海での生活が始まった。
由貴子はフランス租界にある春風茶房に中国茶芸を習いに毎日通い始めた。
茶芸とは中国における茶の作法のことらしい。
中国茶の起源は紀元前2700年頃に薬草として伝わり、唐時代にお茶の習慣が生まれた。
やがて明から清時代に最盛期を迎えた中国茶芸は日本の茶の湯と比べても遜色ないほどに奥が深いものだそうだ。
由貴子が通い始めた春風茶房は、中国全土から集めたありとあらゆる中国茶の貴重な茶葉が取り揃えられている上に、外国人向けに英語や日本語が巧みな茶芸教師が中国茶芸の教室を開いていたのだ。
茶葉の講座は利き茶や茶葉の見極め方、お茶の淹れ方はもとより着香やブレンドの仕方、中国茶器の勉強、中国茶に合うお茶菓子やスイーツの作り方も指南してもらえるとあってなかなかに盛況なところらしい。
「今までは自己流で勉強していただけだったから、発見の連続で楽しいわ」
まるで純真な女学生のように由貴子は瞳を輝かせた。
共に暮らしてみると由貴子は実に淑やかで勤勉でよく気がつく素晴らしい女性だった。
お嬢様育ちの上に家政婦もいた裕福な奥様の生活だった筈だが、家事や料理も難なくこなした。
驚く宮緒に茶目っ気たっぷりに答えた。
「茶の湯では普茶料理という懐石料理も作らなくてはならなかったから、お料理は人並みにはできるわ。
…家のことも…あの家は広すぎて、家政婦さんがいても手が足りないくらいで草むしりまでしていたのよ。
…見直した?」
加えて、夜の由貴子は昼間の慎み深さがまるで別人かのように性的に奔放で淫らで…宮緒を驚かせた。
十年間性的な行為をしていなかったとは思えないほどに、しなやかに妖艶に宮緒の腕の中で乱れて見せた。
宮緒は夜ごと由貴子に魅せられ、惹きつけられ、溺れていった。
由貴子はフランス租界にある春風茶房に中国茶芸を習いに毎日通い始めた。
茶芸とは中国における茶の作法のことらしい。
中国茶の起源は紀元前2700年頃に薬草として伝わり、唐時代にお茶の習慣が生まれた。
やがて明から清時代に最盛期を迎えた中国茶芸は日本の茶の湯と比べても遜色ないほどに奥が深いものだそうだ。
由貴子が通い始めた春風茶房は、中国全土から集めたありとあらゆる中国茶の貴重な茶葉が取り揃えられている上に、外国人向けに英語や日本語が巧みな茶芸教師が中国茶芸の教室を開いていたのだ。
茶葉の講座は利き茶や茶葉の見極め方、お茶の淹れ方はもとより着香やブレンドの仕方、中国茶器の勉強、中国茶に合うお茶菓子やスイーツの作り方も指南してもらえるとあってなかなかに盛況なところらしい。
「今までは自己流で勉強していただけだったから、発見の連続で楽しいわ」
まるで純真な女学生のように由貴子は瞳を輝かせた。
共に暮らしてみると由貴子は実に淑やかで勤勉でよく気がつく素晴らしい女性だった。
お嬢様育ちの上に家政婦もいた裕福な奥様の生活だった筈だが、家事や料理も難なくこなした。
驚く宮緒に茶目っ気たっぷりに答えた。
「茶の湯では普茶料理という懐石料理も作らなくてはならなかったから、お料理は人並みにはできるわ。
…家のことも…あの家は広すぎて、家政婦さんがいても手が足りないくらいで草むしりまでしていたのよ。
…見直した?」
加えて、夜の由貴子は昼間の慎み深さがまるで別人かのように性的に奔放で淫らで…宮緒を驚かせた。
十年間性的な行為をしていなかったとは思えないほどに、しなやかに妖艶に宮緒の腕の中で乱れて見せた。
宮緒は夜ごと由貴子に魅せられ、惹きつけられ、溺れていった。