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第4章 上海ローズ

宮緒は由貴子に口淫を強いたことはなかった。
様々な体位で性交はしたが、口で愛撫させることは未経験だった。
由貴子はもちろん口淫をしたことはないだろうし、気品溢れる嫋やかな彼女にそこまで直情的な欲望を押し付けることに抵抗があったからだ。

…けれど今夜の宮緒は違った。
ありとあらゆる方法で、由貴子を知り尽くし独占し尽くしたかったのだ。

「…咥えて…舐めて…由貴子のこの綺麗な口唇で、愛してくれないか…」
そう言って、由貴子の柔らかな口唇を指先で淫らな仕草で撫で回す。
「…あ…んっ…」
由貴子が熱い吐息を漏らしながら、可憐な口唇を半開きにした。
「…いい？」
濃く長い睫毛を伏せたまま、微かに頷く。

宮緒はずきずきと痛いほどに屹立する牡を、由貴子の薄桃色の口唇に当てがった。
「…挿入るよ…。
唇をもっと開けて…」
おずおずと、口唇が開かれる。
既に先走りの液が光る雄蕊が、由貴子の紅い舌の上に乗せられる。
「…んんっ…は…あぁ…ん…っ…」
苦しげな吐息が漏れる。
宮緒の性器は長大すぎて、その可憐な口唇と口内に納めるには無理があるのだ。

「…もう少し口を開いて…そう…上手だ…」
喉を突かないように、慎重に昂ぶりきった性器を奥まで挿入する。
「…んん…っ…は…ああ…っ…ん…」
由貴子の美しい柳眉が苦しげに歪み、寄せられる。
透き通るように白く滑らかな頰がうっすらと上気し、桜色に染まった。
…その美しい頰が男の牡を咥えた為に、内側に削がれたように窪んでいるのが眩暈がするほどに卑猥であった。