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星逢いの灯台守
第5章 星逢いの灯台守
「…今日は思いがけないお客様が見える気がするわ」
朝食のコーヒーを飲み干すと、澄佳が予言めいた言葉を口にした。

「…思いがけない…?誰かな…」
柊司は首を捻った。
澄佳はその黒目勝ちな美しい瞳に温かな笑みを浮かべた。
「…分からないけれど、意外なひと。
そして驚くようなお話が聞けるような気がするの…」
「…へえ…」

柊司は妻…澄佳の朝陽の如く輝く美貌に思わず見惚れながら、眼を細めた。

澄佳は時折、巫女のようにやや予言めいたことを口にすることがあった。
他愛のないことや具体的で現実的なこと…。
それは当たることもあったし、外れることもあった。

…今回は、どうかな…。

柊司は密かな楽しみのような気持ちを抱いた。

「きっと当たると思うわ。
…柊司さんが驚く貌が眼に浮かぶもの」
心を読んだかのような言葉に眼を見張り、柊司は妻を改めて見つめた。

「…なんだかどきどきしてきたわ」
澄佳は朗らかに立ち上がり、新しいコーヒーを淹れにゆく。
…窓の外の内房の海は、穏やかな紺碧に輝いていた。
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