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星逢いの灯台守
第2章 忘れ得ぬひと
…けれど、宮緒は澄佳とは結ばれなかった。
澄佳は宮緒のプロポーズを断った。
「…私はまだ片岡さんを忘れられないの…。
きっと、あのひとをまだ愛している…。
そんな私が貴方のプロポーズを受けるわけにはいかないわ。
貴方と結ばれても、片岡さんのことを思い浮かべてしまうと思うの…。
…貴方もきっとそうだわ。
私の中の片岡さんを探してしまうのではないかしら…。
…だから、私の恋は片岡さんでお終い…。
私はあの小さな海の町に帰るわ。
…貴方は新天地で幸せになって…。
私のことは忘れて…人生を生き直して…」
そう言うと美しい透明の涙を一粒溢し、宮緒にそっと惜別のキスを贈った。

…甘やかな切ない別れのキスを…宮緒はそれからずっと忘れることはなかった。

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