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星逢いの灯台守
第3章 空蝉のひと
「森先生…」
男が由貴子の形の良い桜色の口唇をそっと指でなぞる。
「…由貴子さん、貴女は罪な方だ。
この美貌と色香で僕だけでなく、他の男も虜にしておしまいになるのですね。
…とてもハンサムで魅力的な男性ですが、果たして貴女をお幸せにすることができるのでしょうか?
この方がどんな方が、由貴子さんはまだご存知ないようですね。
…火遊びなら構いませんが、貴女に相応しいのは貴女と瑠璃子ちゃんをしっかり守ることができる男ですよ。
僕ならそれが出来る。
選ぶのは、貴女だ。
身体だけの刹那な関係か…貴女と瑠璃子ちゃんを社会的にも守ることが出来る僕と安定した関係を結ぶか…。
…僕は貴女にプロポーズするつもりでした」
「森先生…」
息を飲む由貴子に優しく微笑み、
「…歳の差なんて気にしない。
僕は貴女を愛しています。
瑠璃子ちゃんにも説明して必ず理解してもらいます」
告げたのち、強い意志を秘めた眼差しで宮緒を見上げた。

「…貴方にその覚悟はおありですか?
このひとの家族も名誉も地位も…すべてを守り切る覚悟が、貴方にはあるのですか?」

宮緒は息を飲んだ。
…家族と名誉…。

傍らで怯えたように宮緒を見上げる美しい佳人…。
…名門の由緒正しい家柄の未亡人…。
たくさんの弟子を持つ茶の湯の美しき師範…。
…何より、まだ多感な思春期の娘…。
それらを、自分はすべて満たして…幸せにしてあげられるのか…。

このひとを幸せにしてあげられるのだろうか…。
…愛人の母から生まれた自分には、完璧に幸せな家庭が分からない。
完璧に幸せな夫婦の形が分からない。
分からないものを、由貴子に与えて…満たしてあげることができるのか…?

その負い目が、宮緒を臆病にさせる。
…その一瞬の揺らぎを、由貴子は見て取った。

その潤んだ黒い瞳に、ふっと蠱惑的な妖しい微笑を浮かべた。

「…決まっているわ。
私が選ぶのは、森先生よ」



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