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フリータイム
第4章 下賎の悦び
車内アナウンスがなりました。
私が降りる駅です。時計を見てみると、ズボンを下ろして三分と掛からずにイッってしまったようです。普段は遅濡なのに……。
電車がホームに入って、私はドアの近くに立ちました。
そして電車が止まり、ドアが開いてホームに一歩、降りた時でした。
「なにこれ……」
電車内から女性の声がしました。
どうやら目を覚ましたようで、何があったのか分からない……というそんなニュアンスの声色でした。「なにこれ」がナニを差しているのかは、私にしか判らないでしょう。
私は顔を俯かせて笑みを浮かべ、彼女の声に振り返ることなくホームを歩いていきました。
駅員が笛を吹いて、電車のドアが閉まります。
……異常なし。レッツゴー。
私は心の中でそう呟きました。
一日の終わりに訪れる何気ない光景。痴漢だなんだと叫ぶ人は誰もいません。
きっとあの女性は混乱していることでしょう。
寝ぼけ眼でスーツに付いた変な液体を手に取り、ヌルヌルとした感触を確かめ、臭いを嗅ぎ、そこでようやく……それが何であるかに気づく……。
私の精子を、あの若い女の子が手にすくって鼻先に近づけている様を思うと、再び股間が熱くなってきます。つい先ほど出したばかりというのに……。
改札を抜けて駅の外に出てから、大きく背伸びをしました。まるで極上のセックスを味わったかのような満足感に満たされて、オナニー特有の虚しさなど、微塵もありませんでした。
背徳感?
罪悪感?
それらを快感に変えたこの瞬間、私はこれからの人生を切り開くための大きな支えを手に入れたような気がしました。
毎日毎日、クソ溜めの会社と無情な家庭の往復だけが私の人生だったのですが、これからは違う。
生まれ変わった自分が今、此処に……。
私が降りる駅です。時計を見てみると、ズボンを下ろして三分と掛からずにイッってしまったようです。普段は遅濡なのに……。
電車がホームに入って、私はドアの近くに立ちました。
そして電車が止まり、ドアが開いてホームに一歩、降りた時でした。
「なにこれ……」
電車内から女性の声がしました。
どうやら目を覚ましたようで、何があったのか分からない……というそんなニュアンスの声色でした。「なにこれ」がナニを差しているのかは、私にしか判らないでしょう。
私は顔を俯かせて笑みを浮かべ、彼女の声に振り返ることなくホームを歩いていきました。
駅員が笛を吹いて、電車のドアが閉まります。
……異常なし。レッツゴー。
私は心の中でそう呟きました。
一日の終わりに訪れる何気ない光景。痴漢だなんだと叫ぶ人は誰もいません。
きっとあの女性は混乱していることでしょう。
寝ぼけ眼でスーツに付いた変な液体を手に取り、ヌルヌルとした感触を確かめ、臭いを嗅ぎ、そこでようやく……それが何であるかに気づく……。
私の精子を、あの若い女の子が手にすくって鼻先に近づけている様を思うと、再び股間が熱くなってきます。つい先ほど出したばかりというのに……。
改札を抜けて駅の外に出てから、大きく背伸びをしました。まるで極上のセックスを味わったかのような満足感に満たされて、オナニー特有の虚しさなど、微塵もありませんでした。
背徳感?
罪悪感?
それらを快感に変えたこの瞬間、私はこれからの人生を切り開くための大きな支えを手に入れたような気がしました。
毎日毎日、クソ溜めの会社と無情な家庭の往復だけが私の人生だったのですが、これからは違う。
生まれ変わった自分が今、此処に……。