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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第11章 神社の息子
────「……え。白馬くん、これって……。」
あのあと二人で少し休憩し、
服を着替えてやってきたここは。
「うん。ここだよ、うさがいる所。」
まさかの小さな神社でした。
うささん神主なのかな。
チラリと横に置かれた石碑を見れば、
『兎谷神社』という文字が達筆に掘られていた。
……ん?
兎谷神社って、この名前どこかで……。
ひとりでに記憶を掘り返してみると。
「────あっ、そうだ思い出した!白馬くんがGPS仕込ませた神社のお守り!」
「あぁ、よく覚えてたね。」
白馬くんが感心したように答える。
確かあのとき、
白馬くんが「ご利益すごい」って言って私にくれたんだよ。
中身はGPSだったから、ご利益もなにもなかったけど。
「ほら、先輩行くよ。たぶん社務所にいると思うから。」
彼がそう言いながら十段ほどの石段を登る。
私もそれにつられて石段を登ると、
赤い鳥居が見えてきた。
その奥に、小さいながらも立派な拝殿が。
白馬くんはそのまま鳥居をくぐって行ったんだけど、
私はなんとなく一礼をしてから進んだ。
小さくても神社には神様がいるわけだし。
そして、社務所の扉の前に立つ。
ここに、ルークに似たうささんが……。
そんなワクワクと緊張を抱えた私をよそに、
白馬くんが平然とした顔でガラリと扉を開けた。
そこにいたのは。
「うさ、言われた通りに来……」
「よぉ白馬の野郎!ここであったが百年目ェ!!ついに今日てめぇは俺に倒されっ……」
────パタン
あまりのうるささに白馬くんが真顔で扉を閉めた。
……え、さっきのがうささん?
黒髪で目つき悪めだけど
根は絶対いい人でしょって感じの見た目。
ルークの口元にホクロを足しただけってくらい、
とてもそっくりだけど、
第一印象のインパクト強すぎない?
「おいてめぇ人が喋ってる途中で閉めんじゃねぇよ!」
ガラリと勢いよく扉が開く。
うささんが白馬くんに怒っても、彼は素知らぬ顔。
うん、きっと通常運転なんだなコレ。
「だってお前うるせぇんだもん。」
「あ"ぁ"?!んだとコラ……って、あッッ。」
白馬くんに喰ってかかるも、
突然顔を青くして、ピタリと動きが止まるうささん。
……あれ、なんか私を見てる……?