この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第12章 兎と蛇
「白馬くん、一応聞くけど結果どうだった?」
「大吉です。」
ですよね知ってた〜〜(遠い目)
彼はなにかとチートだもんね。
遠い目で白馬くんを眺めていると、
彼がわたしのおみくじをヒョイと覗き込んできた。
中吉だから、内容は可もなく不可もなくって感じ。
……ただ、ある一文を除いては。
「へぇ、『油断大敵。常に注意を払うべし』だって。先輩気をつけなきゃだね。」
そう、ありきたりな文章の中に、
なぜか不穏な一文が書かれてる。
常に注意を払うってけっこう大変だよ。
でも、私もどちらかといえば悪い結果は無視するタイプ。
その他は良いこと書いてあるし、それだけ信じよう。
「うん大丈夫。なんとかなるよ。」
私が軽くそう答えると、
それを聞いた彼が、ふと不敵な笑みを浮かべた。
そして、私の耳元で怪しげに囁く。
「そんな風に油断してると、突然誰かさんに襲われちゃったりしてね?」
「────っ?!」
思わず心臓が跳ねる。
誰かさんって、誰かさんって……!
普通に思い当たる人が一人しかいないよ。
反射的に彼を睨むも、
彼は楽しげにニコニコしてるだけ。
あぁもう顔が熱い。心臓が持たない。
彼と恋人同士になってから、
私の寿命がかなり縮まってる気がする。
すると、そんな私たちに
蛇塚さんが明るく話しかけてきた。
「ねぇお二人共、もし宜しかったらこれから参道の方に参りません?わたくし、職場用にお土産を買いたいの。」
あ、なるほど確かに。
職場へのお土産ってけっこう大事だ。
白馬くんの方をチラリと見ると、
特別面倒くさそうな雰囲気は無く、
別になんでもいいですって顔をしてる。
うん、それなら大丈夫かな。
「そうだね、一緒に行こう。」
私は顔を頷かせながら了承し、蛇塚さんと白馬くん、
美形な二人と一緒に参道の方へ向かった。
やっぱりオーラが違うのかな。
お陰でまた視線がすごかったけど、
なんだかもう慣れたよ。