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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第2章 お泊り会
だっ…
「ダメーーーーーーー!!!」
────ガバッとベッドから飛び起きると、そこは静かに朝を迎えた無人の寝室。
…あれ、さっきの挿れる寸前だった白馬くんは?
なんか服もちゃんと着てるし、手も縛られてない。
…ん??
も、もしかしなくてもこれは…
「夢オチってやつじゃないかぁぁぁあ!!」
痴女か?!私は痴女なのか?!
確かに男女二人でお泊まりとかそういうイベント発生しちゃうんじゃって心配はしてたけどさ!
夢で純粋な後輩とその、行為を致すとか最低でしかないわ!いや現実で起こっても非常に困るんだけども!
一人布団に包まって「ふぉぉぉぉぉ」と呻き声を上げていると、まさかのご本人が部屋に入ってきた。
「あ、先輩おはよ。朝ご飯食べます?」
ビクゥ!
あ、どうしよう顔見れない。あんな夢見ちゃった罪悪感とか申し訳なさが凄いよ。
今の私、きっと不審者も真っ青なほど挙動不審だ。視界がぐるぐるして定まらない。
「おっ、おおぉおは、おっおはようございますっ。」
「え、大丈夫っスか?」
「もしかして風邪引いた?」と言いながら、
白馬くんがこちらに近づいてくる。
ま、まずい。
今おでこに手を当てられようものなら、
確実に夢の感覚思い出しちゃう…!
そう判断した私は凄腕の忍者の如く、咄嗟に白馬くんの手を払いのけた。
「だだだ、大丈夫でござる!拙者、変わらず元気満々でござるよっ!」
ついでに口調も忍者になった。
「…?ほほう、ならいいであります。ところでソナタは白米派?トースト派?」
そんな変質者極まりない私に動じることなく、更にはノッてきてくれるのがこの男。
順応性良すぎて涙が出そう。
「…じゃあ、トースト。」
「ん、りょーかい。」
屈んで目線を合わせてくれたから、今度はちゃんと目を見て答えられた。
なんか落ち着いてきたかも。
すると、身体の機能が少しずつ働いてきたのか、
不意にコンソメのいい匂いが鼻孔をくすぐった。
「美味しそうな匂いだね。」
「でしょー。もう出来るんで、早く布団から脱皮してくださいね。」
茶化すような口調。
部屋を出ていく白馬くんの後を追いかけるように、
私も布団を脱いでその場を後にした。