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呟き…
第7章 どこまでが浮気…4
素人が無闇にウロウロとは出来ないエリア…。
あちこちのチームの車がサーキットの周回を開始してるから歩美さんから動くなと言われてる。
午前中は耐久で午後からは計測だと聞いたけど…。
詳しい事は何もわからない。
車を眺めてるフリをしながらピットに居る相馬さんを眺め続ける。
屈託がなく子供のような笑顔を絶やさない相馬さんの視線の先は私ではなく他の人が常に居る。
多分、あの人が百合さんだ。
綺麗な人…。
ノンスリーブの革ジャンにミニスカートという派手な服装を着こなすスタイル抜群のボディの上に驚くほど小さな顔がある。
やたら背が高く175くらいある相馬さんと目線が変わらない百合さんが羨ましいとか思う。
8等身ですか!?
流石、モデルさんだ。
同じ女性なのにサインが欲しくなる美人。
やっぱり相馬さんの居る世界とかは私が住む世界とは感覚が違うと感じる。
なんで、あんなに綺麗な人が本命とちゃうねん?
他の女の人、10人分はあるくらいの美人やぞ!
相馬さんに怒りしか湧かない。
同時に自信も失くす。
悠真もああいう美人と仕事とかしてる。
なのに平凡で小さな私と結婚すると悠真は決めた。
なんでやねん。
人に見下ろされるのには慣れてるけど、ずっと見下ろされてると気分が悪い。
悠真は私をずっと見下ろしてる。
悠真と私の視線が並ぶ事なんかない。
私は悠真のペットなのだろうか?
ペットだったら簡単に捨てられる。
勝手な時だけ抱き締めるペット…。
自分の妄想だけで妙に落ち込んでもうた。
「お昼ご飯、食べようよ。」
歩美さんに肩を叩かれて我に帰る。
「もう、そんな時間?」
「うん、そやで。」
人懐こい笑顔で歩美さんが私を見る。