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第5章 　漏洩

　ここでいったん小休止を宣告。秘書官水谷となにやら作戦会議。

　「厚労省の奥原琴葉は財務省の井上と出来ているのか」
　「御意」
　「うーん、意外だ。奥原のことだから、マッチョの鶴岡あたりだろうと思っていたが」
　「姉川朱里は環境省・五代鉄平にゾッコンです」
　「なに、姉川と五代。五代は同じ環境省の後輩、奥手の蒼井あたりを手なずけたと思っていたが…。姉川のようなタイプが好みとは、面白い」
　
　矢部首相は一口コーヒーを飲んだ。

　「水谷君他はどうかね」
　「影絵の霧島と三村の関係は文科省内でも有名です」
　「そんなことは言わなくても分かる」
　「しかし、情勢は流動的な面もありますのでご注意を」

　矢部首相はコーヒーカップを手にすると、残っていたコーヒーを一気に飲み干した。

　「ところで、法務省の岡野詩音は誰だ？」
　「どうも、忖度系の杉崎正孝と・・・」
　「それは好都合だ。杉崎に岡野の「婚姻法改革」をなんとかしてもらおう。とすると、農水省の鶴岡猛が環境省の蒼井瑠衣か。なるほどこれで全体像が見えてきた」
　「あとは首相の腕の見せ所」
　
　小休憩が終わるとふたたび舞台は出世争いの舞台へ。