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旅の夜
第1章 満天の星
「あ、あの、僕、出ますから」と逃げ出そうとしましたが、「まだいいじゃない」と彼女に腕を掴まれてしまいました。そして、「誰もいないから、ちょっと付き合ってよ」と言われました。私は何と答えていいのか分からず、「は、で、でも…」と口ごもりました。すると、彼女は「嫌なの?」と横目で私の方を覗き込んできました。恥ずかしさと、誰かに入ってきたらどうしようかと思う気持ちで、「そ、そうじゃないけど…」と返すのが精一杯でした。
夜風は涼しく、空には満天の星ですが、そんなことを楽しむ余裕はありません。それどころか、「なら、いいじゃない」と、彼女は体を寄せてきたのです。肌と肌が触れ合い、私はドキドキして、早くここから逃げ出したい、そればっかり考えていました。