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碧の島 2
第16章 近づく
香菜side
・・・・・・。
東京から・・・今日刑事さんが来たの。
賢吾はちゃんと私にその話をしてくれた。
でもなるべくは私抜きで話を済ませたいけど・・・もしかしたら・・・・。
夕陽を眺めながらカフェのテラスに立って・・・あの事件のことを思い出した。
あの時のさーちゃん・・・・。
いつものさーちゃんっぽくなかった。
あの日・・いや・・・、ずっとさーちゃんは私の事・・・憎んでいたのかな。
真っ赤な夕陽が・・・海に近づいていく。
真っ赤・・・。
真っ赤な・・・。
血まみれだった私。
その時のことは覚えていない。
でもきっと・・・真っ赤な私の血があの道路いっぱい・・・・。
思わず杖を掴む手に力が籠る・・・・・。
ぎゅっと目を閉じると・・・・。
「香菜さん・・・」
・・・・・・・。
振り返ると・・・桜ちゃんがにっこり笑って立っていた。
・・・・・・・。
私なんかより・・彼女の方が・・・・。
なのにこんな風に笑いかけてくれる。