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はなむぐり
第4章 誘う香り

この先も、私は逃げ続ける。
「姪だから、好きに決まってる」
そう答えると、蜜樹は私の両手を振り払って鞄を抱えた。
「蜜樹!」
すぐに玄関を身体で塞ぎ、鞄で胸を殴られても譲らなかった。
「離して!おじさんといると苦しくなる!」
「蜜樹の好きはすぐになくなる。他の人をきっと好きになる。おじさんは蜜樹の親戚だ」
「じゃあ触らないで!優しくしないで!期待させるような目で見つめないで!」
形が崩れた鞄は落ち、蜜樹は両手で顔を覆って座り込んだ。
「結婚も…子どももいらない。ずっとおじさんが好き。でも迷惑になるから他の男の子に目を向けたけどダメ…お父さんみたいに急にいなくなっちゃうなら、私は後悔しない恋愛がしたい。好きでいるぐらい許して…」

