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お局の坪井さん
第1章 一
***
私の務めている文具会社は、九州の中ではそこそこ有名な会社だ。
私は新商品開発部に所属し、新しい文具をチームの同僚と提案し、開発まで運ぶ仕事をしている。
文具は小学生の頃から好きだ。
だから別に、絶対寿退社をしたいわけでもない。
働く事が嫌いなわけではないから……。
寧ろ私は、この仕事が好き―――
「お世話になります。○○文具の坪井と申します」
一泊する旅館に到着すると、玄関で仲居さんに挨拶し、そのまま和室へ通された。
「ようこそ、いらっしゃいませ。本日お泊まり頂くのは、椿の間でございます。ごゆるりとお過ごしくださいませ」
「ありがとうございます」
品の良い着物姿の仲居さんに頭を下げると、部屋の中へ入る。