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申し訳ないですが、Mです。
第5章 会社
「おはよ!」

後ろから背中を叩かれる。

驚いてふりかえると若菜さんが笑っていた。

林若菜さん、あのワカナさんだ。

トンネルでの出来事のあと、僕は若菜さんと連絡先を交換した。

そこで初めてワカナさんの氏名が林若菜さんであることを認識したのだった。


あれから一週間になる。

僕は最初は混乱して、会社を辞めてしまおうかと考えた。

会社に僕の秘密を知っている人がいる、そんな状態で仕事を続けることができるだろうかと。

しばらく悩んだうえで、週末にルキアさんに相談してみた。

ルキアさんは撮影の仕事を終えた後に、

「その女性がどういう人かは知らないけど、そもそもシトちゃんに好意があったんじゃないかしら?日頃からよく見ていないと、ズボンの下にパンティを履いていることには気づかないわよ」

と僕に言った。

スタジオにはまだ赤いロープで拘束され、目隠しや口枷をされたうえ、吊るされた女性がよだれを垂らしている。

ルキアさんの被写体だ。

彼女はドMなお客さんで吊るしたままにしてあるのはルキアさんのサービスだった。

僕はルキアさんにコーヒーを淹れてあげた。

ルキアさんは僕にお礼を言って、革製のソファにもたれながら、カップに口をつけた。

「でも、女性ならそんなのすぐに気がつくって言ってましたよ?」

「そうねぇ…でも嫌いな男のおしりは観察しないでしょ?」

「そうかなぁ」

「シトちゃんのことが好きなのよ、きっと」

「うーん…」

「あはは、心配性ねえ。辞めるつもりなら、いっそ彼女に直接きいてみたら?私だったらせっかく見つけたおもちゃを手放したくないし、みすみす会社をやめさせるようなことはしないわ」

「…そっかぁ、そうですよね」

僕はルキアさんの言葉に納得してうなずいた。

吊るされた女性は、身体をよじらせるたび、ルキアさんの絶妙なくくりかたのせいで、乳房や股の割れ目にロープがくいこむので、一人で快感におぼれていた。

そうして僕は若菜さんに直接相談することにした。

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