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ハンカチの君
第8章 大学生活
圭子は悠馬に手首を握られて、駐車場までの道を歩いていた。

悠馬は身長が大きいので表情が見えなかったが、不機嫌ではないだろうと思い、先ほどの会話で気になっていた合宿について質問した。

「ねぇ悠馬、町田先輩が言っていた合宿についてなんだけど、いつあるの?」
「夏休み入ってすぐ。」
「夏休みって来週だよ??急すぎるよ…。」
「行くだろ?」
悠馬は威圧的な声を出して、圭子を睨みつけた。

圭子は夏休みはヘルスのアルバイトに行く予定だった。
急なキャンセルは、罰金を払わなければいけないとか聞いたような気がしたので、急いで断らないといけないなと思った。
それよりも今は出来るだけ合宿について悠馬が話す気分になってるうちに聞き出しておかないといけないと思い、質問を続けた。

「参加費はいくらなの?持ち物は何を持っていけばいいの?どこに集合なの?」
一気に質問する圭子を鬱陶しく思ったのか、悠馬は舌打ちをすると、自身のズボンのポケットから、クシャクシャに丸められた、紙を圭子に渡した。

圭子は片手でその紙を受けると、悠馬がもう片手を離してくれるそぶりはないので、片手で器用に開いた。

紙の内容を確認すると、圭子は立ち止まった。
悠馬は眉間にしわを寄せて睨みつけてきたが、そのことを気にしている場合ではなかった。
「参加費、3万円?…無理だよ。悠馬私そんなにお金ないよ。」
圭子はヘルスで働き始めてから稼ぎが良くなり、以前よりは余裕があった。
ただ、たまたま大学の学費を半年分払ったばかりで、3万円を来週までに用意するのは難しかった。

「じゃ〜どうする?」
悠馬の質問にこっちが聞きたいと思った。
「お金がないから、いけないだと…ダメ?」
「はぁ?だったらもっと早く言えよ。」
「だって、聞いたのは今日だし…。」
「はあ?お前が聞かねーから、悪いんだろうが。人のせいにするな。」
サークルのメンバーでもないのに、合宿について聞けるわけないではないか。
横暴すぎると思ったが、いつものことであるし、怒らせると何もいいことはないのは身をもって知っていたので素直に謝った。

「ごめん。」
「で、ど〜すんの?」
「えっと、来月必ず返すから貸してくれない?」
「…わかった。」
「え?いいの。」
悠馬がすんなりお金を貸してくれるとは思っていなかったので、圭子は裏返った声が出た。
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