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第14章 合宿

「お疲れ様。」
汗だくになった悠馬にタオルを渡す。

「おう、サンキュー。」
悠馬は人前でしか見せない爽やかな笑顔でタオルを受け取った。

「キャー悠馬くんかっこいい〜！！」
「あぁ、あのタオルになりたい！！」
「彼女が邪魔〜。なんでここにいるの？サークルのメンバーでもないくせに。」

悠馬の笑顔を見たサークルの女性陣がキャピキャピと騒いだ後、圭子の顔を見て顔を歪ませた。
サークルのメンバーでもないのに彼女と言う立場で合宿に参加しているのは、圭子だけだった。

圭子が無理言って参加したと思われているのか、女子のあたりはきつく、もうすでに帰りたかった。

「良いな〜。俺も圭子ちゃんからタオルもらいたい〜。」
悠馬に水筒を渡すと、悠馬の後ろから町田が飛び出てきた。

「肩に顎を乗せるな。重い！！」
「だって悠馬だけずりーじゃん？」
「お前だって彼女連れてこればよかっただろ？」
「俺の彼女社会人だし。仕事だから無理だって〜。そもそも仕事じゃなくても行かないって言われた。良いな〜、圭子ちゃんは優しくて〜。」
町田は圭子の胸を見ながら話すのはいつものことだった。

圭子はショッピングモールで悠馬に買って貰った、白い無地のTシャツと短パンのどこにでもいる普通の服を着ていた。
しかし、悠馬の選んだ服は相変わらず胸が強調するものばかりで、Tシャツも首のカットが深く、タイトなサイズであったため巨乳が目立った。

圭子が悠馬にタオルを渡しに少し歩いただけで、胸がボヨボヨと揺れて、練習を終えてマネージャーにタオルや飲み物をもらっていた男性陣の視線を1人釘付けにしていた。

それがさらにサークルの女性の妬みを買っていることを分かっていたが、どうしようもなかった。

圭子は悠馬と町田の馴れ合いに、反応に困った。
「あ！私、美玲さんに手伝うことないか聞いてきますね。」

圭子は悠馬と町田の前から去ると、女性陣が集まっている中央に足を踏み入れた。