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もしも勇者がラスボスと子作りをしてしまったら。
第1章 いきなりラストシーンです。
股の間からドクドクと流れ続ける勇者の体液を意識しながら、私は誰かと『一つ』になれた事実を感じてみる。
人間からも、一族からも、妬み恨まれ、命を狙われ続けてきた自分。
それがまさか、こんな形で誰かの温もりに触れて、結ばれることになるとは……
地面を伝わる地響きはますます大きくなっていき、崩壊寸前となった瓦礫のクズや破片が、重なり合った自分たちの身体の上へと落ちてくる。
それでも相手は使命感からか、弱り切った私の身体を守り続けるかのように覆い被さっていた。
バカな男だ……
その優しさに、思わず視界が滲む。
込み上げてくる嬉しさと己の弱さを誤魔化すように、私は勇者の胸に顔を埋めた。
この世界の象徴であった正義と悪。
それが今、同時に消える。
こんな終わり方が、あっていいのだろうか?
そんな言葉が頭をかすめつつも、無意識に口元はふっと綻ぶ。
この世界にあるあらゆるものを力によって支配してきた自分。
そんな自分でも、唯一手に入れることができなったもの。
それが今、私の身体と心を優しく満たしていく。
「まあ……悪くはなかった」
己の人生に対して、最後の言葉を告げた直後だった。
突然頭上の瓦礫に巨大な亀裂が走った。
人間からも、一族からも、妬み恨まれ、命を狙われ続けてきた自分。
それがまさか、こんな形で誰かの温もりに触れて、結ばれることになるとは……
地面を伝わる地響きはますます大きくなっていき、崩壊寸前となった瓦礫のクズや破片が、重なり合った自分たちの身体の上へと落ちてくる。
それでも相手は使命感からか、弱り切った私の身体を守り続けるかのように覆い被さっていた。
バカな男だ……
その優しさに、思わず視界が滲む。
込み上げてくる嬉しさと己の弱さを誤魔化すように、私は勇者の胸に顔を埋めた。
この世界の象徴であった正義と悪。
それが今、同時に消える。
こんな終わり方が、あっていいのだろうか?
そんな言葉が頭をかすめつつも、無意識に口元はふっと綻ぶ。
この世界にあるあらゆるものを力によって支配してきた自分。
そんな自分でも、唯一手に入れることができなったもの。
それが今、私の身体と心を優しく満たしていく。
「まあ……悪くはなかった」
己の人生に対して、最後の言葉を告げた直後だった。
突然頭上の瓦礫に巨大な亀裂が走った。