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もしも勇者がラスボスと子作りをしてしまったら。
第2章 僕は勇者です。
僕は舌を噛みそうになりながらも、慌てて弁解の言葉を述べる。
すると髭もじゃの相手は、「別に隠さなくてもいいじゃないですか」と何かを期待するかのように、ぐいぐいと肘を押し当ててくる。
「けっこう噂になってますよ! 昼の世界で大暴れした勇者様は、今は夜の世界で大暴れしてるって」
「なっ!」
あまりの衝撃に、僕はこっそりと右手に握った小さな壺を危うく落としそうになった。
手のひらからするりと離れた瞬間、時を止める魔法を一瞬だけ使ったので大事には至らず済んだが。
危なかった……
伝説の剣、エクスカリバーを手に入れる時もかなり大変だったが、これは違う意味で手に入れるのが大変なアイテム。
いくらこの世界を熟知してきた自分といえど、仕入れ先がどこの国なのか村なのかもわからない。
「ち、ちなみにお値段は何ペルーですか?」
先程の噂話にはあえて触れず、財布代わりにしている乾燥させた牛の胃袋を取り出して僕は尋ねた。
すると店主はまたも大げさなほどに自分よりも逞しそうな太い両腕をぶんぶんと降る。
「旦那、何言ってるんだい。救世主様からお金なんて取っちまったら、俺は一生牢獄入りさ」
あいも変わらず豪快に笑う相手に、こちらもついついサラリーマン根性が顔を出す。
「何をおっしゃいますか。これだけお力になってもらったのにお礼もせずに受け取るなんて……」
「いいってことよ! うちはこうやって旦那に来てもらえるだけで宣伝効果もばっちりだし、勢力増強剤の10本や20本、それにコンドームだって必要とあらば樽に詰め込んでプレゼントするよ!」
「……」
すると髭もじゃの相手は、「別に隠さなくてもいいじゃないですか」と何かを期待するかのように、ぐいぐいと肘を押し当ててくる。
「けっこう噂になってますよ! 昼の世界で大暴れした勇者様は、今は夜の世界で大暴れしてるって」
「なっ!」
あまりの衝撃に、僕はこっそりと右手に握った小さな壺を危うく落としそうになった。
手のひらからするりと離れた瞬間、時を止める魔法を一瞬だけ使ったので大事には至らず済んだが。
危なかった……
伝説の剣、エクスカリバーを手に入れる時もかなり大変だったが、これは違う意味で手に入れるのが大変なアイテム。
いくらこの世界を熟知してきた自分といえど、仕入れ先がどこの国なのか村なのかもわからない。
「ち、ちなみにお値段は何ペルーですか?」
先程の噂話にはあえて触れず、財布代わりにしている乾燥させた牛の胃袋を取り出して僕は尋ねた。
すると店主はまたも大げさなほどに自分よりも逞しそうな太い両腕をぶんぶんと降る。
「旦那、何言ってるんだい。救世主様からお金なんて取っちまったら、俺は一生牢獄入りさ」
あいも変わらず豪快に笑う相手に、こちらもついついサラリーマン根性が顔を出す。
「何をおっしゃいますか。これだけお力になってもらったのにお礼もせずに受け取るなんて……」
「いいってことよ! うちはこうやって旦那に来てもらえるだけで宣伝効果もばっちりだし、勢力増強剤の10本や20本、それにコンドームだって必要とあらば樽に詰め込んでプレゼントするよ!」
「……」