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もしも勇者がラスボスと子作りをしてしまったら。
第1章 いきなりラストシーンです。
どうせ死ぬなら道連れだ……
私は伏せていた顔をわずかに上げると、目の前の人間を睨んだ。
相手も同じように自分のことを見ている。
その右手に、散々私のことを傷つけた剣を持ったまま。
せめて、あと一撃でも……
そう思った私は、呼吸することでさえ重い身体を無理やり動かし、剣を杖代わりにして再び立ち上がった。
気を抜けば、すぐにでも意識を失いそうだ。
そんなことを思い、必死に意識を保ちながら右足を一歩踏み出そうとした時、背後で巨大な爆発音が聞こえた。
直後、見上げた空から幾多もの巨大な瓦礫が降り注いでくる。
いけない!
己の命の危機を知らせるように、ドクンと肋骨の裏で鼓動が悲鳴をあげる。
が、もはやこんな身体では逃げることはおろか、走ることもできない。
まさか……私が先に死ぬことになるなんて。
そう思い、ぎゅっと目を瞑った瞬間だった。
突然前方から勢いよく自分の身体に何がか当たり、私は思わずその場に仰向けに倒れこむ。
そして、そんな自分を逃がさないかのように、耳の側では巨大な瓦礫が辺りに落ちる音。
衝撃、振動、そして耳をつんざくような炸裂音。
今まで決して想像することも経験することもないと思っていた『死』を前に、私の胸が、全身が恐怖という化け物に食い尽くされる。
私は伏せていた顔をわずかに上げると、目の前の人間を睨んだ。
相手も同じように自分のことを見ている。
その右手に、散々私のことを傷つけた剣を持ったまま。
せめて、あと一撃でも……
そう思った私は、呼吸することでさえ重い身体を無理やり動かし、剣を杖代わりにして再び立ち上がった。
気を抜けば、すぐにでも意識を失いそうだ。
そんなことを思い、必死に意識を保ちながら右足を一歩踏み出そうとした時、背後で巨大な爆発音が聞こえた。
直後、見上げた空から幾多もの巨大な瓦礫が降り注いでくる。
いけない!
己の命の危機を知らせるように、ドクンと肋骨の裏で鼓動が悲鳴をあげる。
が、もはやこんな身体では逃げることはおろか、走ることもできない。
まさか……私が先に死ぬことになるなんて。
そう思い、ぎゅっと目を瞑った瞬間だった。
突然前方から勢いよく自分の身体に何がか当たり、私は思わずその場に仰向けに倒れこむ。
そして、そんな自分を逃がさないかのように、耳の側では巨大な瓦礫が辺りに落ちる音。
衝撃、振動、そして耳をつんざくような炸裂音。
今まで決して想像することも経験することもないと思っていた『死』を前に、私の胸が、全身が恐怖という化け物に食い尽くされる。