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飼い殺しの犬
第1章 飼い殺しの犬
別荘から海岸までは、僅か五分。
だけど、近くの商店までは急いでも片道十分はかかる。
しかも、遅い時間。空いている保証はない。
「……」
やっぱりだ。シャッターが閉まっている。
ギリギリ未成年だからであるが故、下手に騒いで年齢を聞かれたら面倒だ。
……確か、この先に廃れたスーパーがあった筈。
点々と、等間隔に続く外灯。
暗闇へと誘う灯火。
……兎に角、早く買って帰ろう。
走ったせいで体が火照り、汗が大量に噴き出す。
額のそれを腕で拭い、闇夜に向かって走り出した。