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第90章 独白

男は未亡人を引き取り、囲った。
用意した離れのコテージに彼女を入居させた。
隣には専門医も常駐させた。
彼女への憐れみから男の事業が始まったのも事実である。だがそんな純朴なことだけで生計は成り立たない。確かに男は土地持ちだ。こんな片田舎の先祖代々の土地だけを受け継いだ。それでも活用すれば金になる。

俗世に興味が無ければ、彼女にはもう財産など不必要であろう。
通り魔で亡くなった夫の保険金、犯罪被害者への給付金を皮切りに、その後は福祉と称する寄付をせしめ、彼女の貯蓄を巻き上げる。

金づる、そして小間使い、あるいは性欲処理の道具へ、今日は風呂場のオブジェとして、彼女は男に寄与している。