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第91章 紅葉の波

「さあ、もっとこっちへ。冷えるでしょう、お湯に浸かってください。お酒とともにご覧ください……」

○実はグラスに差し出された赤ワインを一気に飲み干す。

「開祖はこの景色を大層好んでおりました……」

「……当時はここまで森にせり出したコテージはありませんでしたので、開祖は森の一角に東屋を建てて、風呂を拵え、幾日も誰も寄せず、紅葉に囲まれて、この地と一体になることを望みました……」

「さあ、この地で命の喜びを存分に感じて下さい」