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アーティストなS彼
第1章 とあるアダルトサイト
カツカツ…大きな音を立てて廊下を歩いて来るのが分かる。部屋の前で足音が止まった。
ピンポンピンポンピンポン!
チャイムが何度も鳴らされる。
「分かったよ!うるさいな〜」
勇気は渋々ドアを開ける。
「入るよ勇気!止めても入るからね!」
細い眉を釣り上げ留美がヅカヅカと部屋に入る。
そして部屋の椅子にドカッと座る。
「さっき勇気が送ったメール…何っあれ?マジでムカつくんですけど!」
やれやれだぜ!と言う感じで留美と向かい合わせの椅子に座る勇気。
「今回のギャラはちゃんと振り込んだぞ!あのメール通りだ…」
「違う!その後!」
「ああ…ギャラを下げる事な!」
「ふざけんなよ!今回のギャラが20万でなんで次が2万なの?」
これだけ留美が怒りを込めているのに、勇気は全く悪びれていない。むしろ…
(留美….何を怒っているの?)と言う態度が最高にムカつかせる。
「値下げすぎだ!この差はなに!」
「まぁウチのサイトの売り上げが落ちているからコストダウンだ!」
留美の怒りは収まらない。
「アンタ!私からコストダウンするの?私が居ないと動画が撮れないよ!」
「じゃあ2万5千円な!これ以上は無理だ!メカゴジラのフィギュアが買えなくなる…」
「はぁ?」
怒りは紅蓮の炎で燃え上がる。
(出会った頃からそうだ…コイツは顔はかっこいいのに…何なんだこの性格…)
真っ直ぐな性格、裏表がない性格と言えば聞こえがいいが、逆に考えると遠慮知らずの非常識だ。
思った事をすぐに言う。
「私の事よりゴジラのなんたらがいいの?」



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