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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第5章 もう一人の社長息子
(どうしよう。
私一人じゃ……)
な、なんと!
電話から戻って来た朝陽は、『急用が出来たから、先に帰るわ』と言い残して、私を置いて帰ってしまったのよ。
この情況で一人残されるのは、はっきり言って辛い。
(朝陽のせいなのに、もう!)
あんな立ち回りをしたせいか、こちらを見る女性社員の目がね、まだ冷たいまま。
そして三科さんが、まだ私の隣に居るのも冷視される原因の一つ。
「金森さんが帰ってしまてまったのに、夏目さん一人になんてしておけないよ俺は」
「い、いえ、私は一人でも……。
皆さん、三科さんと話したがっていますし」
「だ か ら 余計に一人には出来ないよ。俺もね」
要するに、私を餌にこの飲み会を乗り切ろうという、三科さんの意図が丸わかり。
囲み責めが大変なのも理解出来るけど、私の身にもなって欲しい。
「……ありきたりな質問だけど、夏目さんは彼氏とか作らないの?」
「あまり……。
出逢いも無いですし、三科さんと同じように仕事が大事なんです」
「金森さんも?」
朝陽??
どうなんだろう。
毎回こうして飲み会とかに参加しているんだから、彼氏を作る気はあるとは思う。
……今は誰とも付き合っていないらしいけど。
「朝陽は……機会があれば作ると思います。
でなければ、こうして毎回毎回飲み会に参加しませんよね?」
「まぁ確かに。
金森さんって、うちの社員でも人気があるから、簡単に彼氏が出来そう」
「私もそう思いますよ」